脱原発 再エネこそ

新潟大学党後援会が藤野やすふみ氏を招き語る会

 新潟大学日本共産党後援会は20日夜、衆院北陸信越比例候補の藤野やすふみ前衆院議員を招いた原発とエネルギー問題を語る会を開き、現職・元職の教職員や学生ら22人が参加しました。同大学理学部と大学院を卒業した中村たけお衆院新潟1区予定候補も決意表明しました。

 藤野氏は講演で、岸田政権の原発回帰は運転期間を60年を超えて延長し、その判断も規制機関から推進側の経済産業省へ変えるなど福島第1原発事故の教訓を踏みにじる大暴走と批判。再処理工場の26回目の完成延期、柏崎刈羽原発7号機の配管の穴を原因不明のまま修理など多数のごまかしの中で国は再稼働の地ならしを進めてきたと指摘しました。

 原発は電力不足やCO2削減の対策になるどころか、原発や石炭火力発電に固執した政策が再生可能エネルギーの普及を妨げてきたと指摘。日本の発電電力の約7倍ある再エネの潜在力を生かし、新潟市では年間1828億円も市外に流出しているエネルギー代金を地域で循環させるなど、脱原発で再エネ・省エネへ転換こそが地域経済の活性化になる希望を語ろうと訴えました。

 「原発はCO2が出ないイメージですが、そんなに多く排出するのか?」の質問に藤野氏は、ある試算では、建設から運用までのCO2排出量が石炭火力以外では原発が最も高く、原子炉を建てる際に地盤を掘り下げる工事で出る大量の土砂の搬出などでもダンプカーや重機からの排出が大きいと指摘。何より、十万年以上とも言われる使用済み核燃料の管理・保存・処理にどれだけのエネルギーが必要かは想像もつかないと答えました。「運転中に冷却水が7℃も高くなり海に放出されることも、温暖化や生態系に大きな影響がある」との意見もありました。

 「再エネの潜在力は約7倍と言うが、太陽光パネルの設置コストや採算面から個人で導入にはちゅうちょがあるが?」の質問に藤野氏は、すぐ実用化でき採算の取れる再エネだけでも2倍の潜在能力があると環境省も指摘していると述べ、普及でさらに設備コストは低くなると答えました。

 「巨大な洋上風力はどう考えるか?」の質問に藤野氏は、洋上風力は適した地域があれば大型施設も可能性があると考えるが、漁業者や住民とのていねいな対話、地震の可能性や生態系への影響など総合的な環境評価のもとで進めることが大切と強調。企業が利益を吸い上げるのではなく、地元に利益が還流する仕組みづくりが大切で、その点も含め「どういう地域をつくっていくのか」という自治の視点が重要と話しました。

 福島原発事故をどう収束させるか、汚染水放出の危険や対案、豪雪や農業などの実態に沿った再エネ政策づくりのほか、少子化の中での大学の将来像や教員のなり手を育てる待遇改善、若い人にも伝わる政策の発信などの要望も出されました。

 藤野氏は、従来の支持層だけでなく一回り二回り党への共感を広げるため、いただいた意見も生かし頑張りたいと決意を語りました。

 学生から「原発は仕方がないと思っていたが、気候や地震など日本は原発を建ててはいけない場所とわかった。いま原発を再検討する時期ではないか」「再エネだけでなく省エネやライフスタイルの検討、提案も必要」などの感想が出されました。(2023年7月22日『しんぶん赤旗』)