原子力規制委員会への疑問多数

原子力規制庁が長岡市で説明会
参加者に説明する規制庁職員(壇上左、モニターに拡大)=18日、長岡市

 原子力規制委員会が東京電力柏崎刈羽原発の運転禁止命令を解除したことを受け、新潟県は18日、原子力規制庁による県民説明会を開きました。長岡市のほか県内各地のオンライン会場などで115人が参加しました。

 参加者から「追加検査中の昨年5月にも東電社員が原発関係書類を無断で持ち出し紛失するなど、トラブルを繰り返しているのに、なぜ改善されたと判断できるのか」「保安規定違反の事案発生を見抜けず、報告も怠った規制庁や規制委に、原発の安全性を判断する能力があるのか」など、東電だけでなく規制機関の資格を問う厳しい意見が相次ぎました。

 規制庁は、「書類の紛失はあってはならないが、原発の安全への影響は小さいと判断した」「事案を見抜けなかった点は反省し、連絡体制の徹底やすべての原発の規制事務所に核セキュリティー専門職員を配置した」と答えました。

 「適格性の判断は、柏崎刈羽原発の再稼働にお墨付きを与えたと見られる。どんな地震や津波でも原発事故を起こさないと言い切れるのか」「戦争や地震で重大事故が起きれば、私たち県民の命と生活が奪われるとの認識が抜けている。責任を取れるのか」との意見に、規制庁は「自然災害などで絶対に事故は起きないとは言えないが、原子力事業者の基本姿勢を再確認し、重大事故対応の能力があると判断した」「今日は検査結果の報告で、再稼働するために来た訳ではない」と答えました。

 参加者は「納得いかない」「再稼働など許されない」など感想を話しました。(2024年2月21日『しんぶん赤旗』)