給食無償化で健やかな成長を

新潟市で「会」が署名スタート集会
福嶋氏(正面左)の講演を聞く参加者=8日、新潟市

 新潟市で学校給食の無償化を求める署名運動が始まりました。学校給食無償化を実現する新潟市民の会が8日に開いたスタート集会には約100人が参加し、「給食費無償化で子どもの教育を受ける権利を保障しよう」と声をあげました。

 新潟市では、小学校の給食費が月約6000円と全国で3番目に高くなっています。中学校は選択制のスクールランチ(月約6000円)で、コンビニのおにぎりだけの生徒などもいます。

 市民の会は、憲法の「義務教育は無償」にもとづき子どもの健やかな成長を保障するため▽小中学校の給食費は無償に▽中学校は全員給食に▽地産地消の給食を―の3点を求める署名を呼びかけています。

 スタート集会で朝倉奏共同代表があいさつしました。僧侶で3児の父親です。寺でおこなう子ども食堂で「一緒に同じものを食べることが健やかな成長に大切だと実感する」と述べ、給食無償化と全員給食の実現を訴えました。

 『隠れ教育費』の著者、福嶋尚子千葉工業大学准教授が講演しました。給食がない学校や長期休暇では十分な食事がとれない児童が多い実状を紹介し、栄養バランスが整い温かくおいしい、保護者負担がなく安い学校給食の意義を強調しました。給食無償化は、学校に最低限の衣食住を確保して、子どもが教育を受ける権利を保障するもので、社会やおとなの責任だと話しました。

 参加者から「自校方式からセンター方式へ変わり冷たい給食になった。地元の安全な農産物を使った給食に戻してほしい」「スクールランチは使わないと就学援助の対象外で食材費は家庭の負担になる」などの訴えがありました。

 会から▽署名は12月15日までに1万筆を集め12月に市長と教育長に提出▽来年6月まで5万筆▽街頭署名宣伝―などの行動が提起されました。(2023年10月13日『しんぶん赤旗』)