米坂線の復旧をJRと国の責任で早く

村上市で学習会
(正面右から)大矢、江本の両氏らの報告を聞く参加者=9月30日、村上市

 昨年8月の豪雨災害により一部運休が続くJR米坂線の復旧を考える学習会が9月30日、村上市で開かれ、沿線の村上市、関川村の住民ら87人が参加しました。主催は、あらかわ米坂線復旧を考える会。

 にいがた自治体研究所の大矢健吉氏は、新潟・山形両県知事が国とJRの責任で「まず復旧を」と一致して求めていると強調。昨年の豪雨災害で被災したJR東日本6路線のうち4路線は運転を再開しており、全国的な鉄道網を公共インフラと位置づけ、赤字路線に関係なく国の責任で早期復旧することが必要と述べました。国鉄新潟動力車労働組合の牧絵孝栄氏は、米坂線の復旧と運行は、2兆8千億円の内部留保を持つJR東と国の責任ですべきと訴えました。

 山形県川西町で米坂線羽前小松駅を拠点に地域活性化にとりくむNPO法人「えき・まちネットこまつ」の江本一男理事長は、高校生も参加するにぎわいづくり、多世代連携の活動を紹介。被災後は、2036年の米坂線開業100周年に向けて、駅イベントや史跡めぐり、全国駅弁まつり参加など米坂線の魅力を発信しながら、全線復旧をめざす10万人署名にとりくんでいると話し、被災で米坂線の存在意義に気づけたチャンスととらえ、沿線住民が知恵と力を合わせ米坂線を盛り上げようと呼びかけました。

 参加者は「通学に使う高校生も参加した学習会を」「遠出の何回かに1回は鉄道を使うなど住民から利用促進を」「駅舎や周辺を活用したまちのにぎわいづくりも考えたい」など意見を交わしました。

 発起人から今後、「米坂線復旧と地域活性化を考える会」(仮称)を結成し、復旧にむけた署名などにとりくむことが提案されました。(2023年10月3日『しんぶん赤旗』)