放射能の危険 多岐に

池内了氏を招き「柏崎刈羽原発を考える魚沼市民の会」が講演会

 新潟県魚沼市で20日、「柏崎刈羽原発を考える魚沼市民の会」が「原発再稼働のゆくえ」と題し講演会を開き、約140名が参加しました。講師は、新潟県が独自に原発の安全性を検証する「三つの検証」総括委員会の前委員長の池内了・名古屋大学名誉教授。

 検証総括委は、柏崎刈羽原発の安全性に言及するかなど重要問題について花角英世知事と池内委員長の意見が対立し、2年以上も活動が停止したまま今年3月末で委員全員が任期切れとなり、事実上消滅しました。

 池内氏の講演は、知事との意見の相違点、三つの検証と総括委の重要性、原子力発電の恒常的な欠点・問題点、原発から30キロ圏のわずか外側に位置する魚沼市の放射能汚染の危険性など多岐にわたりました。また、「なぜ国や電力会社は原発を動かしたいのか」などの素朴な疑問にも説明を加え、分かりやすかったと好評でした。

 講演を聞いた市内在住の田野辺淳子さん(56)は、「事故になれば魚沼市はまともに風下なので、改めて怖いと思いました。安定ヨウ素剤の配布や服用も、自治体ごとに大きな差があると聞き、魚沼市にもっと働きかけなければと思いました」と語りました。(2023年5月24日『しんぶん赤旗』)