原発事故の検証総括委員会の早期開催を

 新潟県が独自に原発の安全性を検証する「三つの検証」を取りまとめる検証総括委員会が2年も開かれていない問題について、県内外の原発を考える市民団体や県原水禁、原水協など46団体が10日、花角英世知事に対して「検証総括委員長の考えを尊重した総括委の開催」を求める要請書を提出しました。

 要請書は▽池内了委員長の考えを尊重した総括委の開催▽避難計画の実効性を総括委で議論する▽県民の意見を聞く場を設け議論に反映する―の3点を求めています。

 提出を前に県庁で開いた記者会見で、県原水禁の近藤正道理事長は、池内委員長が▽福島原発事故の検証と教訓が柏崎刈羽原発に生かされているか▽事業者である東京電力に原発運転の適格性があるか―を総括委で議論すべきと求めていることは、県民からすれば当然だと強調。花角知事が総括委の議題でないと主張し開催を先延ばしにするなど許されないと述べ、早期開催を訴えました。

 参加者から、当初の「三つの検証」の目的であった避難計画の実効性の徹底した検証や各検証委を横断する課題の議論がおこなわれず、課題の抽出だけで終了するのでは県民の安全は守れないなどの指摘がありました。(『しんぶん赤旗』2023年3月15日)