原発 東電資格なし
柏崎刈羽再稼働問題
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)6号機の再稼働の是非に対する花角英世新潟県知事の判断が注視されています。県が行った県民意識調査では東電に対する根強い不信感が示されました。東電が福島第1原発事故にとどまらず不正やトラブルを繰り返してきたことが背景にあります。(松沼環)
県の県民意識調査では、「東電が柏崎刈羽原発を運転することは心配だ」に、69%が「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」と答えています。
同原発は2012年以降、全7基が長期停止しています。同原発の全基停止は3回目です。
1号機は1985年に稼働を始め、最初に全基停止に至ったのは2003年。02年に発覚した検査データの改ざん問題で、予定外に点検補修が必要となりました。この時、福島の2原発を含む17基全てが停止する事態となりました。東電はこの時だけでなく、07年にも大量のデータの改ざんにより、行政処分を受けるなど不正が繰り返されてきました。
11年3月の福島第1原発事故では、他電力会社の原発では実施していた水密化などの津波対策もせず、意図的に対策を先延ばしにし、無策のまま巨大津波に襲われました。国会事故調報告書ではこの事故を「人災」と断定しています。
その後も柏崎刈羽原発では、20年に職員が他人のIDカードを不正に使用して制御室に入室するセキュリティー上の問題が発生。テロ対策の設備不備が長期間放置されていたことが判明し、21年4月に事実上の運転停止命令が出されました。
原発問題住民運動全国連絡センター(原住連)の筆頭代表委員を務める持田繁義さん(日本共産党柏崎市議)は、「東電は6号機の稼働後、県に1000億円を拠出するとしていますが、福島ではいまだに避難している人たちもいる。そんな金があるのなら、被害を受けた人たちへの賠償に使うべきです。稼働ありきの東電の体質は、全く変わっていません。県民もそのことはよく見ていて原発に肯定的な人も、東電に原発を動かす資格はないと見ています」と話します。(2025年11月15日『しんぶん赤旗』)

