世代こえ平和伝える
ちひろ美術館・松本氏が講演

新潟県長岡市で25日、第20回憲法九条を守る長岡の集いが開かれ、ちひろ美術館常任顧問の松本猛氏の講演や「平和のうた」などが行われました。松本氏は、「母・いわさきちひろは、未来と命の象徴として、子どもを描き続け、平和を願っていた。絵本は子どもから老人まで世代や国境を越えて伝える力がある」と話しました。主催は九条を守る長岡の会。
松本氏は、絵本は幼児向けと見られるが、絵巻や浮世絵など昔は絵本がメディアの中心だったと指摘。ベトナム戦争で犠牲となった子どもを支援する絵描きたちが、日本の子どもにも伝えたいと「戦争と平和」の絵本を描き始め、ちひろは『戦火のなかの子どもたち』を発表したと話しました。ちひろは戦争体験と重ねながら、惨状でなくかわいい子どもの絵に「あなたの弟が死んだのは去年の春」などの言葉をつけて、戦火で傷ついた心を描いたと指摘。世界で戦争が続く中で、子どもに「平和とは何か」を伝える絵本が毎年発表されていると紹介しました。
長岡の会の丸岡稔代表(97)は、検診で訪れた保育園児たちを見て「この子らの平和を守ることが私たちおとなの責任だ」と強く感じたと話しました。(2025年10月28日『しんぶん赤旗』)

