休業補償不支給は違法

新潟地裁 労災訴訟遺族が勝訴

 過度な業務と不当な降格人事などで精神疾患を発症し、休業と退職に追い込まれた故小黒勝人さんが労災休業補償の支給を認められなかったのは違法として、母親が国に撤回を求めた裁判で16日、新潟地方裁判所(鈴木雄輔裁判長)は不支給の取り消しを命じる判決を言い渡しました。

 小黒氏は、鈴民精密工業所(新潟県長岡市)の金属部品の熱処理をする熟練工で、処理課長などを担っていました。しかし、2016年9月に小黒氏以外に処理加工ができる補佐役の退職で業務負担が急増し、不良品事故の対応、部下との関係の悪化、「部下にパワハラした」と決めつけた降格人事などが相次ぎ、小黒氏は自立神経失調症を発症しました。

 判決は、補佐役の不在で、時間外労働が月85時間超など業務負担増加や不良品事故が起き、人間関係の悪化も含め心理的負荷は著しく強度で、発症は業務が起因と認められるとして、不支給を違法としました。

 判決を受けて母親の早川トヨさん(90)は、「勝人が仕事に誇りを持ち頑張ってきたのに、会社から裏切られ、大きなショックだったことが裁判で認められ、うれしい」と話しました。支援する会の重住富雄さんは「働く人の環境が改善されるように闘いを多くの人に伝えたい」と話しました。(2025年10月25日『しんぶん赤旗』)

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