新潟水俣病 救済早く

3団体が国への働きかけを県・市に要請
花角知事(右)に早期救済への思いを訴える皆川氏(左)=12日、新潟県庁

 新潟水俣病3団体は12日、花角英世新潟県知事と中原八一新潟市長へそれぞれ、要請と懇談をおこないました。被害者は、身体の症状や差別偏見に苦しんできた実情を訴え、「高齢化で裁判の決着を待つ時間はない。一日も早い救済、解決のため国に強く働きかけてほしい」と求めました。

 懇談したのは、新潟水俣病共闘会議、新潟水俣病被害者の会、新潟水俣病阿賀野患者会の3団体です。ノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟の原告らが訴えました。(皆川さん以外は新潟市在住)。

 佐藤照夫さん(85)は、毎朝、こむら返りの痛みで起きることもできず、1時間以上マッサージして立ち上がり、両腕の杖を使って歩いていると訴えました。84歳の女性は、手指のしびれで、ものを落とし、震えて字が書けず泣くほど悔しい思いをしてきたと話しました。

 阿賀野患者会副会長で原告団長の皆川榮一さん(81)=阿賀町=は、偏見や差別があり、50年も黙って生きるしかなかったと話しました。10年半の裁判で原告147人のうち31人が亡くなり、「生きているうちに解決を」は被害者の切実な願いだと訴えました。

 花角知事と中原市長は、「国への働きかけをこれまで以上に取り組む」などと答えました。

 17、18日には伊藤信太郎環境相が新潟市で被害者らと懇談する予定です。(2024年7月14日『しんぶん赤旗』)