気候被害・資材高などに対する農業支援策を

農水省に党新潟県委員会と農家が要請
農水省担当者(右側)に実情を訴える(左二人目から)藤野、井上、佐藤の各氏ら
=11月30日、参院議員会館

 日本共産党新潟県委員会は11月30日、政府と農林水産省に対して、今年夏の高温・少雨被害や資材高騰などに対する農業支援策を求める要請をおこない、党議員や農家が実情を訴えました。藤野やすふみ衆院北陸信越比例予定候補と井上哲士参院議員が同席しました。

 新潟県は今年夏の長期の高温と少雨の影響で、一等米の比率が13・5%と昨年比で60・9%も低下する被害があり、県全体で23年産米の減収が135億円に上る試算も発表されました。

 要望は▽23年産米の等級低下による減収の補てんや収入保険の拡充▽農業資材高騰への支援▽鳥獣被害対策の強化▽多様な担い手が希望の持てる農政▽中山間地農業の維持・発展―の5分野です。

 見附市の農家の佐藤徹さんは「減収被害で収入保険加入を指導されているが、農業収入が少ない家族農業や兼業農家は加入できず、生産費用もまかなえない米価を基準にしたわずかな補てんしかない」と指摘し、すべての農家が最低限の生産費が保障される制度へ改善を求めました。

 農水省担当者は、収入保険は税金も使っているため青色申告者が対象で、すべての収入を保障するものではないと答えました。

 藤野氏は、新潟県内の各自治体が「かつてない災害で大量の離農者が生まれる」と危機感を持ち独自の支援を打ち出していると述べ、現場と国が認識を一致させて支援を強化してほしいと訴えました。

 長岡市の農家の大久保永志さんは、れんこん農家が、輸入肥料高騰の影響で国内の堆肥が手に入らず鶏糞で代用した苦労を紹介し、地域の小農家が農業を続け、農村が維持できる支援を求めました。

 「機械が壊れたら農業をやめる」と言う農家が多く、農業機械の更新費の補助は、生産性向上や大規模化を条件にするのではなく、農家が農業を継続できる支援にしなければ、耕作放棄は防げないとの訴えもありました。

 農水省担当者は、赤字になる可能性がある「経営維持」への補助には税金は使えないと答えました。

 藤野氏は、地球がどうなるかという局面で、環境保全や防災、地域社会の維持など農業の多面的な役割が求められている時だからこそ、経営改善だけでなく、農家・農村を守る制度をつくることが必要だと求めました。