農民連などが干ばつ被害で県交渉

品質検査1等米ゼロ
県担当者(右)に要請書を提出する(左から)鶴巻、馬場の各氏=19日、新潟県庁

 農民運動新潟県連合会と新潟県農協労働組合連合会は19日、新潟県に対して、猛暑・干ばつ被害による農家への支援を求める緊急要請をおこないました。馬場秀幸県議(無所属)も同席しました。

 新潟県では7月の梅雨明け以降40日以上もまとまった雨が降らず、水不足やフェーン現象で農畜産物に甚大な被害が出ています。

 県農民連の鶴巻純一会長は、米の品質検査では1等米がほぼゼロ、3等米75%、規格外15%の結果もあり、「50年農家をしていて、これほどの品質低下と収穫量減少は初めて」と強調。3等米では60㌔当たり3千円・2割以上も米価が下がり、資材・燃料の高騰もあって来年の米作りを諦める農家や法人が急増すると訴え。「干ばつは災害」と位置づけた対策の強化を求めました。

 要請項目は▽減収被害農家への支援▽県の渇水被害応急対策支援の補助の拡充と積極的活用。政府に▽猛暑・干ばつは災害とする支援制度の創設▽共済制度の弾力化と収入保険制度加入の要件緩和、を求める―の4点です。

 県農協労連の砂山太一・中央副執行委員長は、品質・食味の向上へ積み上げてきた新潟米の評価をどう守るかが大切と指摘。県内の米菓など米関連業界に県産米使用を働きかけるなどを求めました。馬場県議は、水田のひび割れなどの改修工事の対象や補助額の拡充を求めました。

 応対した県担当者は、資金繰りや技術面など全般的な相談窓口を設け、各地の被害状況を把握して適切な対策、常態化する高温化も考えた対策を検討したいと答えました。(『しんぶん赤旗』2023年9月23日)