保険証廃止に高齢の開業医「対応ムリ」

24団体が県知事に協力要請

 新潟県の県労連や新日本婦人の会、生活と健康を守る会など20団体と、社会保障推進協議会や保険医会などの医療4団体が1日、花角英世知事に対して、健康保険証廃止の撤回・中止を要望しました。馬場秀幸県議(無所属)も同席しました。

 要望書は、マイナンバーカードのトラブル続出は、本来は個人の自由であるマイナ取得を強要してきた政府の責任が重大だと批判。紙の保険証廃止は国民皆保険制度の破壊につながりかねないとして、健康保険証廃止方針をただちに撤回・中止するよう国に求めることを県に要望しました。

 民医連は「マイナ保険証の複雑な処理に対応できないから、これを機に医院を閉じるという高齢の開業医の声もあり、地域医療の危機にもつながる」と指摘。ほかに高齢者から「個人情報がひも付けされたマイナカードを持ち歩くのは怖い。申請・更新を忘れたら保険医療を受けられないのはひどい。今の保険証で何が問題なのか」と怒りの声が多いことなども紹介されました。

 応対した県担当者は、国の制度変更の動きを注視しつつ、すべての県民が必要な医療を受けられるように医療や行政など現場の声を届けていくと答えました。(2023年8月5日『しんぶん赤旗』)