水俣病”隠す”33%
患者アンケート報告

新潟水俣病阿賀野患者会は14日、新潟市北区で「新潟水俣病患者アンケート」プロジェクト会議を開き、会員の患者168人から回答があった差別・偏見の現状や健康状態など生活の質に関するアンケート調査の結果を報告しました。
曽我浩会長は、「水俣病の適正な診断や治療を受けられず、病院に行くことを諦めている患者、自分が水俣病と認識できない人も多い。調査結果を改善につなげたい」と話しました。
調査は、新潟医療福祉大学の松元圭、小堀晶子両講師、立教大学の関礼子教授と共同で実施し、全会員を対象に▽健康被害▽介護・福祉▽差別―など4項目34問を聞きました。
松元・小堀両氏は、差別について「受けた経験がある」は10%未満だったが、「誰にも知られないようにしているからない」が33%と最多で、「差別を恐れる状況が続いている」と指摘。約3割が水俣病の症状があっても「治療を受けたことがない」と回答し、専門の神経内科を受診している患者が6%と低いなど、患者や医師の治療に関する情報不足から「医療から疎外されている」状況にあると報告しました。
皆川榮一副会長(ノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟原告団長)は「今は裁判での解決を第一に取り組んでいるが、裁判後も水俣病は終わらない。患者の体の痛みや生活の改善へ考えていきたい」と話しました。
会は、新潟県や医師会などに調査結果を届け、治療法確立など生活の質の改善を要望していく予定です。(2025年12月16日『しんぶん赤旗』)
