原発 経済波及効果ない
長岡市で「市民ネット」が講演会

新潟大学経済科学部の藤堂史明教授を招いた「原発と地域経済」講演会が15日、新潟県長岡市で開かれました。東京電力柏崎刈羽原発が立地する柏崎市や新潟県では建設から40年、「原発で地域経済が潤う」どころか「地域経済への波及効果はみえない」と指摘しました。原発ゼロ長岡市民ネット結成14周年企画。
藤堂氏は、柏崎市と県内の同規模自治体の産業別売り上げを原発建設が始まった1970年代から比較検証した結果、建設業には大きな効果があったが、製造業や小売業など「ほかの産業への波及効果はなかったと実証された」と紹介。また、全国の原発立地県の借金比率は全国平均より悪く、「特に新潟県はワースト2位の財政悪化にある事実を認めて、将来を構想すべき」と話しました。
「原発は発電コストが安い」との主張も、放射性廃棄物の処理や10万年以上の保管、原発事故の損害賠償などの費用を電力会社が負担せず、税金や電力料金加算で国民が負担しているため安く見えるだけと指摘。全原発の40年間の利益は8兆円に対して、福島原発事故の損害だけで23兆円以上と大赤字だと述べ、一部の利益優先で、立地住民の日常や故郷を奪うリスクを負わせていいのか、十分な議論が必要と話しました。(2025年11月18日『しんぶん赤旗』)
