水俣病 正確に伝えて

胎児性患者 トライと面会
トライ幹部(左)に、思いを伝える(右から)萩野、古山の両氏=2日、新潟市

 新潟県内の「胎児性水俣病」患者の古山知恵子さん(60)は2日、トライグループ(東京)が、中学生向け映像教材で「水俣病は遺伝する」と誤記述した問題で、同社幹部と新潟市で面会しました。古山さんは筆談で、「(水俣病を)二度と起こしてほしくない。そのために子どもに正確に伝えてほしい」と訴えました。

 水俣病は、メチル水銀に汚染された魚介類を多食したことで起きた「中毒性神経疾患」です。「胎児性水俣病」は母親の妊娠中に胎盤を通じてメチル水銀を取り込んだ乳幼児に症状が現れたもので遺伝ではありません。

 トライグループは誤記述を被害者団体に謝罪し、該当部分を削除。正確な教材づくりに向けた現地学習や被害者から話を聞く取り組みを進めています。

 面会で古山さんは、「水俣病で苦しむ人がたくさんいる大変な病気だと伝えたい。でも偏見は持たないでほしい」と話しました。新潟水俣病患者会事務局の萩野直路さんは、第二の水俣病の拡大を防げなかった教訓を含めて正確に伝えてほしいと求めました。

 トライグループの阿部正純執行役員は、「お聞きしたことを踏まえ、正確に伝える教材づくりに努めたい」と話しました。(2025年9月6日『しんぶん赤旗』)

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