新潟県試算 再稼働ありき
柏崎刈羽原発事故想定被ばく線量 市民検証委が会見

新潟県の原発「三つの検証」委員を務めた研究者や県民でつくる「市民検証委員会」の上岡直見・元避難委員と佐々木寛・元避難委副委員長が23日、県庁で会見しました。県が今月発表した柏崎刈羽原発事故を想定した被ばく線量シミュレーションについて、福島原発事故の放射性物質放出量の1万分の1を想定した過小評価などの問題があり、県民の安全に寄与するには不適切と述べました。
県の試算は、7号機単独事故、6・7号機同時など6ケースで解析。気象条件により原発から5㌔圏内で基準を上回るケースがあったが予防的避難等で被ばくは避けられると結論づけました。同試算は、花角英世知事が再稼働議論の材料の1つに挙げ、結果を受けて、避難計画が有効と検証できた、議論の材料が揃ったなどの考えを示しています。
上岡氏は、放出量を少なく想定した県試算CACE2でも、昨年の気象条件で毎日計算すると、1日以内に避難が必要な範囲が原発から30㌔以上離れた長岡市東部まで広がるケース(2024年5月29日=図参照)があったと指摘。佐々木氏は、県試算は再稼働ありきのミスリードで、「新・安全神話」を振りまくものだと批判しました。(2025年5月31日『しんぶん赤旗』)