原発の経済波及効果見えず

事故リスク、地方に負わせる――新潟市で講演
講演する藤堂氏(正面)=11日、新潟市

 原発稼働中も地域経済への波及効果は見られなかった―。新潟市で11日、新潟大学経済科学部の藤堂史明教授による「原発と地域経済」の講演会が開かれました。主催は、柏崎刈羽原発再稼働の是非を県民投票で決める会。

 藤堂氏は、「原発は危険だが儲かるから動かす」背景に、電力消費地の東京や電力会社など恩恵を受ける集団のため、事故リスクなどを原発立地の地方に負わせ、疎外する構造があると指摘。2014年までの全原発の利益が14兆円余りに対して、福島第1原発事故の損害だけで23兆円を超え大赤字だが、損害賠償や廃炉の負担金を電力料金に加算して国民から強制徴収しているために表面化していないと話しました。

 原発立地の柏崎市と同規模の県内自治体の産業別売り上げを時系列で比較すると、建設業は大きな効果があったが資材などの地元発注はなく、ほかの産業には波及効果は見られなかったと紹介。一部の利益優先で、地域で住み続けたいと願う住民に事故リスクを負わせ続けていいのか、十分な議論が必要だと話しました。

 「原発は動いていても赤字なら、今後さらに赤字は膨らむのでは?」などの質問が出されました。(2025年4月15日『しんぶん赤旗』)

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