今も沈下・健康被害
能登半島地震 復興どうする
能登半島地震で広範囲に液状化被害が発生した新潟市西区で17日、市民団体が被災者アンケート調査の報告会を開きました。地震から半年以上たつ今でも家屋や地盤の沈下、変動が続き、健康被害もあることが明らかとなりました。調査を分析・報告した新潟大学災害・復興科学研究所の卜部厚志教授は、行政や液状化対策の課題が浮き彫りになり、今後の対策への反映が大切だと話しました。
アンケートは市民有志の「西区地震被害アンケート調査市民の会」が、液状化被害の多かった西区坂井輪中学校区の約7800世帯を対象に7~8月に実施。2757世帯(35・5%)からの回答をまとめました。
被害を受けた住民のうち、8月現在も被害が続いていると回答したのは半数の507世帯ありました。会を立ち上げた被災者の皆川ヒデさんは、「日々、家や道路が変化する不安や、寝ていると地面が動いている感覚があり眠れない。周りは普通の生活を取り戻している中で、私たちは取り残されていると感じる」と証言しました。
家屋被害の判定を受ける「り災証明」の申請や再調査、高齢世帯の多い地域性など課題も明らかとなりました。
卜部教授は、回答率がとても高く、現在も進行する被害や復旧計画の先行きに多くの住民が不安を抱えていることが明らかになったと指摘。640件の自由記述の生の声とあわせ、新潟市など行政に伝えて、対策や今後の取り組みに生かす必要があると強調しました。(文は2024年11月20日『しんぶん赤旗』)