能登半島地震 個人負担軽減がカギに

塩川衆院議員・藤野氏が液状化調査
卜部所長(左手前)と懇談する(正面左から)藤野、塩川の両氏=26日、新潟大学

 日本共産党の塩川鉄也衆院議員と藤野やすふみ前衆院議員(衆院北陸信越比例予定候補)は26日、能登半島地震で多くの宅地などで液状化被害が発生した新潟市に調査に入りました。

 新潟大学災害・復興科学研究所の卜部(うらべ)厚志所長や新潟市の担当者と懇談し、復旧対策の現状と課題、国への要望を聞きました。中村たけお衆院新潟1区候補、武田勝利新潟市議が同行しました。

 卜部所長は、今回の地震では砂丘斜面末端(青山~内野)、信濃川の旧流路(善久など)、低地(寺尾東)の三つの被災タイプごとにボーリング調査などをおこない、地表から1~3㍍ほどの深さにある地下水に満たされた砂層で液状化が発生した特徴が見られたと指摘。地下水位を下げることが面的な液状化防止に有効で、道路部分に排水管を入れる工法などが考えられると話しました。

 塩川氏は、東日本大震災の全国の液状化被害を調査してきたなかで、家の傾きの修繕と面的な整備と二段階ある工事について「個人負担をいかに軽減するかが、液状化対策を進める最大のポイントだと思います」と述べました。

 新潟市との懇談では担当者が、一部損壊以上や車庫などに対象を広げた市独自の住宅修繕支援などに加え、国の特別交付税を活用して宅地等復旧工事費の最大3分の2(最大766万6千円)を補助する事業を準備中だと話しました。

 懇談後、寺尾地域の被災者を訪問し、要望を聞きました。武内征司さん(80)は、「隣近所で4軒が地震で引っ越し、住み続けるための支援が必要だ」と訴えました。70代の夫妻宅は30㌢も傾き、700万円かけて一部を修理する予定です。液状化防止の地盤改良も望んでいますが、「近所でも被害状況が異なり、必要な住民負担や合意は難しい」と不安を話しました。

 藤野氏は「国や県、市でまだやれることはある。支援制度の柔軟な運用と拡充を求めていきます」と話しました。(2024年7月30日『しんぶん赤旗』)