平和守る大切さ再確認
新婦人新潟支部が戦争体験者の話を聴く会
被爆80年となる来年に向けて、新潟市で活動している新日本婦人の会(新婦人)新潟支部の「若い世代チーム みつばち」が、戦争体験者の話を次世代に伝える取り組みを進めています。(伊藤誠)
「みつばち」では、これまで学校給食や親の介護などの学習にとりくんできましたが、来年被爆80年を迎えるもとで、年間を通じて平和の取り組みを強める計画を決めました。「戦後80年ということは、戦争を体験した人がいなくなり、話を聞くなら今しかないね」と話が出され、まず戦争を体験した新婦人会員から「戦争体験を聴く会」を開くことにしました。
6月12日の「戦争体験を聴く会」には、子育て世代を中心に21人が参加し、戦場や空襲だけではなく、生活のあらゆる場面に影を落とす戦前・戦中のエピソードに、「空の向こうの話ではなく、子どもたちの身近な生活に影響する戦争の怖さを知り、平和を守る大切さを再認識した」などの感想が出されました。
「戦争体験を聴く会」では、先の戦争を経験した3人の話を聴きました。伊藤恭子さん(85)は、7歳の時に満州からの引き揚げ船でコレラ感染と長期隔離で多くの人が餓死し、弟を亡くした体験などを話しました。
小田マリヤさん(88)は、小学生も「お国のため」と軍国教育を受け、食料や繊維になる草木を採っては学校に供出していたと言います。「病死の父が恥ずかしく、戦死だったらよかったのに」と思っていた当時を振り返りました。
棚橋菊乃さん(91)は、肺結核で寝たきりだった兄も徴兵検査が免除されず、豪雪と吹雪のなか、ソリに乗せられ16㌔先の検査を受けに行った戦争の不条理などを訴えました。
「軍国教育の怖さを感じましたが、戦後にその気持ちが変わったきっかけは何ですか?」という質問に小田さんは、「戦後に新しくできた憲法を読んだ時に明るい希望が持てた。(『新しい憲法のはなし』の)軍艦や戦闘機が平和な汽車や車に変わる絵が特に印象的で、これからは良い時代になるのだと、軍国主義から180度考えが変わり、うれしかった」と話しました。
参加者は、「戦争は普通に暮らしていたはずの少女の生活をこんなにも壊すのかと怖く感じた」「今もウクライナやガザで戦争があるけど、ニュースでは戦場しか報じない。戦場になっていない場所でも食料不足や餓死、勉強もできない子どもがいることが想像できる話だった」「戦場や空襲の惨状を幼い子どもに話すのにはためらいがあったけど、身近な生活の話で、これならば子どもと一緒に聴いて話ができると思った」「自分たちの子どもにどう伝えていくか考えていきたい」などの感想を話しました。
「みつばち」は今後も、護国神社の石碑めぐりや学習会を計画しています。(2024年7月2日『しんぶん赤旗』)