「横断できず」「トイレどこ?」
新婦人新潟支部が新潟駅ウオッチング
「反対側のバス停に行きたいのに横断できず、2階に上がらないと行けない」「トイレも2階。個室が四つしかなく長蛇の列」―。新しくなったJR新潟駅が不便になったという声に、新日本婦人の会(新婦人)新潟支部は新潟駅のウォッチングを実施し、要望をまとめて新潟市へ要請するなど、改善へ向けた取り組みを進めています。
新潟駅は、在来線と駅ホームの高架化、南北をつなぐ新バスターミナルなど1200億円を超える駅周辺整備事業が進んでいます。
3月末には、バスターミナルが供用を開始。駅ビルには、大型商業スペースがいくつも開業。テレビなどが「南北に分かれていたバス乗り場が集約され、利便性向上に期待」「有名店が県内初出店。待ち望んだオープンに長蛇の列」と大きく報じています。
高齢者は大変
その一方で、駅下に集約されたバスターミナルは18番線まで乗り場がありますが反対側に渡る横断歩道が両端にしかありません。2階へ上がるか迂回する必要があるため、「不便になった」「案内がわかりづらく高齢者には大変」との多数の声や危険な横断が絶えないことが、地元新聞でも繰り返し取り上げられています。
そうした声も受けて新婦人新潟支部は、4月19日に新潟駅ウォッチングを行いました。
バスターミナルでは「たくさんのバス停があるのに、待つ間に座れるベンチが少ないね」「番号は大きく書いているけど、どこ行きのバス停か書いてなくてわからない」「冬は吹きさらしで大変。乗り場も暗い」などの気づきがありました。
「トイレはどこ?」と探した参加者は、ようやく階段かエスカレーターで上がった2階にトイレを発見。しかし、女性トイレは個室が四つ。平日なのに長蛇の列ができていました。別のトイレの案内がありましたが、商業スペースの奥など離れた場所でした。「トイレが我慢できない小さな子どや障害者は駅を利用できない」と不満の声が上がりました。
整備工事続く
バスターミナルの反対側に行くのに2階に上がる必要がある問題も、「どこから降りれば目的地に行けるのか案内がなくて不親切」「エスカレーターがない階段があり、高齢者や障害者は大変」という意見が出されました。「ホームから駅の外に出る時も道がわからず、店舗の中をうろうろ迷子になった」という体験談も聞かれました。
新潟駅の整備工事はまだ2年続きます。新婦人は5月29日、新潟市に対してバスターミナルの改善を求める要請をしました。ウォッチングに参加した会員が「障害者や小さなお子さんなどが困るので、バスターミナル脇にトイレの設置を」「ピクトグラムなどで、外国人観光客など誰にもわかりやすい案内表示を」などと要望しました。
応対した市職員は、利用者からの要望を聞き、バス路線やエスカレーターの案内の改善、ベンチの設置などを進めていると述べ、運用しながら改善していきたいと答えました。 要請を終えた参加者は、「市民の声に応えて改善していきたいとの姿勢が感じられた」と話し、引き続きウォッチングや利用者の声を集めて、要望を続けたいと話しています。(2024年6月5日『しんぶん赤旗』)