水俣病被害者救済早く

新潟県が式典 環境省と懇談
式典で早期の被害者救済を訴える曽我氏(正面)=5月31日、新潟市

 新潟水俣病の公式確認から59年となる5月31日、新潟市北区で新潟県主催の式典が開かれ、被害者や自治体関係者ら約100人が出席しました。環境省から国定勇人政務官が出席し、式典後に被害者らと懇談しました。

 式典で阿賀野患者会の曽我浩会長代行(76)は、「水俣病は終わっていない。現行法では救済されない被害者が多くいる」と強調し、早期の被害者救済を訴えました。

 懇談は被害者団体や弁護団など約30人と約2時間おこなわれました。国定政務官は式典と懇談で、5月1日の熊本県水俣市での水俣病被害者の発言遮断問題について謝罪し、「対話を重ね、解決へ何ができるか考えたい」と話しました。

 数人の被害者が「今も頭の中でセミが鳴くような耳鳴りが続いている」「手足のしびれで仕事や家事ができず悔しかった」などの症状や、「人格を否定され、『嘘つき』や『金欲しさ』と言われた」など偏見に苦しんできた思いを話し、「被害者は高齢化で、もう時間がない。一日も早い解決、救済を」と訴えました。

 話を聞いた国定氏は「今の枠組みでも苦しんでいる人がいると認識した。対話を重ねる中で解決の糸口を見つけたい」と話しましたが、具体的な救済策には言及しませんでした。(2024年6月3日『しんぶん赤旗』)