環境相は式典出席・懇談を
新潟水俣病5団体が会見
新潟水俣病の被害者4団体と支援団体は10日、新潟県庁で記者会見しました。熊本県水俣市の水俣病患者団体と環境相の懇談時に被害者の発言が妨げられた問題について、「怒りで震えが止まらない」との声が出され、新潟水俣病が公式確認された5月31日に県が主催する式典に、伊藤信太郎環境大臣が出席し、懇談の場を求めました。
会見に先立って環境相宛てに送付した要望書(9日)では、新潟水俣病被害者は環境相と定期的に懇談する場がなかったと指摘し、「新潟水俣病被害者は大臣の前でマイクを持つ場さえない」と、被害者と意見交換の場を設けるよう求めています。
会見で「新潟水俣病被害者の会」の小武節子会長は、差別と偏見の中で何十年も苦しみ続けてきた被害者の思いを遮った環境省の行為に「怒りで震えが止まらなかった。(ノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟)の判決を前に亡くなった妹の無念を思うと切ない」と訴えました。
「新潟水俣病阿賀野患者会」の曽我浩会長代行は、大阪・熊本・新潟の3地裁判決は、いずれも多くの潜在的な水俣病被害者がいると認めており、法にもとづく現地の実態調査を長年放置してきた国の責任は重いと指摘。生きているうちの全面解決を求めました。
会見後には花角英世知事に対し、環境相と旧昭和電工社長の式典出席と懇談の場を要請するよう求める要望書を提出しました。(2024年5月11日『しんぶん赤旗』)