タブー視せず話せる社会に
新潟水俣病 大学生が研究発表
新潟県の新潟水俣病関連情報発信事業にとりくむ県内4大学の学生が3日、1年間の取り組みを発表する合同フォーラムを開き、「これからどしたいっ!」をテーマに意見を交わしました。新潟市の本会場のほかオンラインを含め76人の学生、市民が参加しました。主催は4大学です。
新潟大学の学生は、新潟水俣病が発生した阿賀野川流域の日常生活を伝える映画やお地蔵さん建立などの文化が、後世に水俣病を知るきっかけや、生活者の視点で自分ごとにとらえて対話と理解を広げる力になると話しました。
新潟県立大学の学生は、熊本県水俣や阿賀野川の現地へ行き、きれいな海や川、そこで獲った魚を食べる日常を知ったことが、水俣病の背景を考える力になったと報告。別の学生は、子どもには馴染みのない新潟水俣病資料館が、夏休み工作教室など楽しい学びを通じて水俣病を知る取り組みをしていて、水俣病をタブー視せず、子どもが日常の話題にできる社会にしたいと話しました。
新潟医療福祉大学の学生は、医療や介護など全15学科が現地調査や患者の話を聞く学習プログラムにとりくんでいると紹介。風化させないために、正しい知識と差別や偏見で苦しむ当事者の思いを伝える活動が大切だと話しました。
上越教育大学の学生は、現職教員と協働して自ら現地学習や語り部から学ぶだけではなく、付属中学校での授業実践を通じて、子どもたちの理解と次の世代の語り部を育てる取り組みを報告しました。
各大学の発表後、9グループに分かれワークショップをおこない、感想や今後の目標、願いなどを交流しました。(2024年3月6日『しんぶん赤旗』)