新潟水俣病 解決今こそ

全被害者を救う判決を 提訴10年 原告団などが宣伝
若い人も自分ごとで考えてほしいと訴える渡邊さん=11日、新潟市

 新潟水俣病全被害者の救済を求めるノーモア・ミナマタ第2次新潟訴訟が新潟地裁に提訴されて10年を迎えた11日、原告団や弁護団、支援者らが新潟市で宣伝し、来年4月18日の判決に向け「公正な判決を求める」署名と支援を呼びかけました。水俣病を学ぶ新潟県立大学の学生4人も参加しました。

 マイクを握った皆川榮一原告団長(80)は、熊本水俣病の原因が水銀を含む工場排水と確認できた時点で、昭和電工鹿瀬工場の排水を止める対策をとらず被害を拡大させた国の責任は大きく、判決で国から謝罪と補償を勝ち取りたいと訴え。10年で30人の原告が亡くなり「これ以上の裁判の引き延ばしは絶対に許されない。裁判勝利へ力を貸してください」と呼びかけました。

 原告の男性(58)は、子どもの時から原因不明の手足のしびれや耳鳴りに悩まされ、数年前にようやく水俣病とわかったと訴え。工場排水を放置し、被害者救済に背を向ける国に責任を取らせるためには裁判勝利が必要だと強調しました。

 新潟水俣病共闘会議の中村洋二郎議長は、水俣病被害者は長年、差別や偏見を受け苦しい人生を強いられてきたと述べ、近畿訴訟大阪地裁に続き新潟訴訟でも勝利して、公害をなくす大きな一歩にしようと呼びかけました。

 県立大4年生の渡邊名南(なな)さんは、救済されるべき被害者が何十年も差別や偏見を受け、たたかい続けなければならない水俣病のような不条理が日本社会でも起きていると発言。「昔のことだから私たち若者は関係ない」ではなく、未来につながる自分のこととして考えてほしいと訴えました。(2023年12月13日『しんぶん赤旗』)