JR「米坂線」復旧を進めよ

村上市で学習会
あいさつする発起人の野田氏

 新潟県村上市で5月30日、JR「米坂線」復旧問題を考える学習会が開かれ約40人が参加。住民や5人の市議らが米坂線復旧や公共交通のあり方など意見を交わしました。

 昨年8月の豪雨で村上市坂町駅から山形県米沢駅を結ぶ米坂線は、112カ所が被災し、坂町―今泉駅間の約68㌔は代行バスが走っています。JR東日本は復旧に約86億円の工事費と約5年の工期を要する試算を発表。復旧費は、事業者が2分の1、国と自治体が4分の1負担する案が出されています。

 発起人の野田尚道さんは、「JRや国・自治体だけでなく地元住民がどう復興を望んでいるかが大切。意見交換しながら住民の声を上に届けていきましょう」と呼びかけ、地方鉄道のあり方を問題提起したDVDを視聴した後、参加者が意見を述べました。

 にいがた自治体研究所の福島富さんは、国と自治体、鉄道事業者が地方路線の存廃を協議する制度が導入されたが、米坂線の復旧はそれとは区別し、災害復興の中心課題として国が財政的責任も持って進めることが大切と強調しました。

 「人の動きが地域の活力になる。坂町駅にエレベーター設置など利用しやすい公共交通整備を」「JR東には内部留保が2兆8千億円あり、その活用を」「世界的にも鉄道や道路などは赤字が多いが、国の責任でインフラを維持している。日本も国の責任で国民の足を守るべき」など積極的な議論が交わされました。(2023年6月2日『しんぶん赤旗』)

 会では、住民の学習と交流を続けていく予定です。