医療費2割化 8割以上が「負担重い」
新潟県民医連がアンケート調査の結果を公表
新潟県民主医療機関連合会は、75歳以上の医療費2割化アンケートを実施し、8割以上が「2割負担は重い」と答えたと発表しました。「1割負担」に戻すよう求めています。
県民医連の小網孝志事務局長らが19日に新潟県庁で記者会見し、アンケートの調査結果と回答者の悲痛な声を紹介しました。
国は昨年10月、75歳以上の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げました。対象は単身世帯の所得200万円以上、複数世帯の所得320万円以上。県内の約6万人が「2割」に該当しています。(県後期高齢者医療懇談会資料)
調査は昨年11月~今年2月末、民医連加盟医療機関の患者など、2割に引き上がった75歳以上を対象に、医療費の窓口負担の負担感や受診抑制の影響など聞きました。770人の回答がありました。
会見で小網氏は、長引くコロナ禍や物価高、年金引き下げで特に高齢者の暮らしは厳しくなり、医療費2倍化は「とても重い」「重い」の回答が84%にもなったと指摘。自由記載欄には「2割負担は重いが、持病で通院しているので医療費は削れない。他の支出を削り何とかやりくりするしかない」「受診を控えないといけない」など悲痛の声が寄せられ、負担感の増大や受診抑制が生じていることを政府や県、県民にも知らせ、1割負担に戻すよう求めていきたいと話しました。
医療費の負担感については、昨年10月以前の「1割負担」時は「とても重い」「重い」の合計が61%だったのに対して、10月以降の「2割負担」後では「とても重い」「重い」の合計が84%と23ポイントも急増しています。
医療費が増えたことの影響(複数回答)は、「預金を切り崩して受診」が28%、「受診をためらうようになった」27・5%、「受診回数・薬を減らす」21・6%などでした。月の負担増加額が3千円までに抑えられる3年間の激変緩和措置については、「手続きの仕方がわからない」が40・7%と措置や手続きを知らない人が多いこともわかりました。
小網氏は、調査結果をもとに国や県に対して、窓口負担2割化の撤回と激変緩和措置のていねいで分かりやすい周知・案内を求める提言をおこない、1割負担へ戻す署名運動などにとりくんでいくと話しました。(2023年5月26日『しんぶん赤旗』)