新潟大学教職員・学生が「国葬問題考える」オンライン学習会
新潟大学教職員組合と退職者の会は12日夜、「国葬問題を大学という場から考える」オンライン学習会を開き、新潟県内の教職員や学生ら約60人が参加。池内了・名古屋大学名誉教授(世界平和アピール七人委員会)と佐々木寛・新潟国際情報大学教授(日本平和学会理事)の話の後、意見が交わされました。
池内氏は、国民一人ひとりの個人の尊重という憲法の大原理より、「みんなのため」「政府が決めたことは従う」と国家を優先させる国権主義の象徴が「国葬」だと指摘。憲法違反を繰り返した安倍氏を、国家に尽くした人物として国内外に認知させ、正当な批判をできなくすることは民主主義に反すると述べました。
佐々木氏は、近代日本で「国葬」は統治のための国家装置として政治利用されてきたと指摘。森友公文書改ざんや時代遅れの家族観などの改憲を進めた安倍氏が顕彰に値するのか、日本はどんな人物を顕彰する国か、国民の過半数が反対しても強行するのか問われていると話しました。
質疑応答では学生や若い教員が、「人柄など良い面だけ報道され、国葬してもいいと思っていたが、国葬にふさわしい人物か問われているのだと気づけた」「世論に反して強行する手続き論の問題と思っていたが、より根が深いとわかった」などと発言。「国葬の目的は何か」との質問に佐々木氏は、「安倍批判を隠す以上に、国家主義を国民に定着させたい意図を強く感じる。国葬で終わりでなく用心すべき」と答えました。(文は『しんぶん赤旗』2022年9月14日)