新潟市長選挙にあたって

2022年9月21日

いのちとくらし最優先の新潟市をつくるみんなの会

                                     新潟市長選挙予定候補者  鈴 木  映

1.コロナ禍にも物価高騰にも無為無策―市民の苦しみに心をよせない中原市政

新型コロナウィルス感染症が急速に拡大するなか、地元紙は中原市長の対応について次のように報じました。「冷え込む地域経済への対策を巡って、…国や県の方針を重視するあまり、市長の考えが見えず、対応がスピード感に欠けているように映る」(2020年5月)、「第1波の感染拡大時、県内の他市町村が独自の経済対策を打ち出す中、新潟市は出遅れた。国や県に歩調を合わせたものだが、緊急時の対応力が問われた」(2022年5月)。

2021年5月からワクチン接種予約が始まるとすぐに混乱をきたし、市民から不満が噴出しました。同年6月、地元紙は連日次のように報道しました。「新潟市進まぬ接種」「新潟市の対応後手後手」「予約殺到し苦情」…。中原市長が全庁体制での対応を指示したのは、一連の問題が表面化してからでした。

今年度予算でも、コロナ禍で大きな影響を受けている中小業者や商店に対する家賃補助などの独自支援策はなく、生活困窮者等への支援も国が実施したもの以外はありません。

コロナ禍に加え、今般の異常な物価高騰で市民の暮らしや営業は深刻な打撃を受けています。しかし、中原市長は、「学校給食費の値上げを抑えて」「光水熱費やガソリン代の値上げで病院や介護施設の経営が大変」「肥料価格が倍近くになった。農家に支援を」などの市民の切実な声にも、国・県の施策だのみで独自の対策をとろうとはしていません。中原市政は、市民や業者の苦しみに心を寄せない、冷たい市政と言わなければなりません。

また、今年の2月議会では、コロナ禍のもとでも公立・公的病院の病床を削減する「地域医療構想」の見直しを国・県に求めるべきとの質問に対し、「地域医療構想の議論を進めることは重要」と、国・県いいなりの答弁に終始しました。6月議会の答弁では、「社会保障制度の維持や充実を図るためには、消費税は欠かせない財源」と、物価高騰の特効薬である消費税引き下げを否定し、ウクライナ危機に関しては「外交・安全保障双方の大幅な強化が求められている」と、岸田政権が進めようとしている大軍拡を肯定するなど、自民党中央直結の政治姿勢を露にしました。

  • コロナ禍+物価高騰のなか、大型事業にはアクセル、子育て・福祉・介護は切り捨て

新潟市は全国20の政令市で最も財政力が低い(資料-1)にもかかわらず、借金(市債)と基金だのみで、新潟駅連続立体・周辺整備事業(総事業費1500億円、うち市負担626億円)、新潟中央環状道路(440億円+α)、万代島ルート線(総事業費1500億円、その1/3が市負担)の3つの大型事業を推進してきました。

その結果、2017年度末には基金が底をつき、篠田前市長は3つの大型事業に「ブレーキをかけられなかった」と述べ、これらの事業が財政悪化の要因となっていることを認める一方、2018年度の予算編成では「このままでは119億円の財源不足に陥る」とし、「全事務事業点検」を強行して、市民のくらしに密着した46億円もの事業を削減しました。

中原市政は、コロナ禍と物価高騰のダブルパンチで市民が苦しむなか、3つ大型事業に「ブレーキをかける」どころか、アクセルを踏んで莫大な予算を投じつづけ、その穴埋めとして、子育て・福祉・介護など市民の暮らしを守る予算を容赦なく切り捨ててきました。こんな市政をいつまでも続けさせるわけにはいきません。

1)「集中改革プラン」の3年間で、くらし・福祉の予算を容赦なく削減

2018年11月に就任した中原市長は、篠田市政の「全事務事業点検」につづき2019年度予算でさらに約8億円の事業をカットしたうえ、「集中改革プラン」(2019~2021年度)を策定し、3年間で376事業・58億1千万円もの子育て・福祉・介護の予算を削減しました(資料-2)。その主な中身は以下の通りです。

  • 就学援助制度の連続改悪  …資料-3

 小・中学生の学用品や給食費などを補助する就学援助制度は、もともと川上市政時代(1977年)に生活保護基準の1.4倍まで認定基準を拡充して全国トップレベルの優れた制度でした。その後、篠田市政は所得を4階層に区分して(全国で新潟市だけ)、支給率を100%から25%に細分化し、所得基準も生活保護基準の1.3倍に引き下げ、さらに生活保護基準引き下げに連動した認定基準の引き下げも行いました。この連続改悪で認定率は2010年度の30.7%から2020年度21.3%に低下し、新潟市の平均支給額は県内20市平均を下回ってしまいました。

これを引き継いだ中原市政は、2021年度から生活保護基準引き下げに連動して再び認定基準を引き下げ、1億5千万円を削減しました。その結果、支給対象外となる人と支給額が下がる人を合わせると約4,200人、制度利用者の32.5%に影響が及ぶことになりました。

  • 紙おむつ支給事業など高齢者施策の後退  …資料-4

全国トップ水準だった高齢者の紙おむつ支給事業も、どんどん改悪され、2020年10月には対象を40歳以上の寝たきりもしくは重度の認知症に限定したため、利用者の45%・5,800人が対象外となりました。単年度で9千万円の予算削減です。

また、介護者支援の介護手当支給事業は、2021年度から新規申請受付を停止してしまいました。

  • 障がい者交通費助成制度の上限引き下げ

障がい者の福祉タクシー利用料や自動車燃料費を補助する障がい者交通費助成制度は、補助額の上限引き下げによって、2020年度、2021年度の2年間で1億4千万円の予算が削減されました。

2)3つの大型事業に湯水のように予算をつぎ込む中原市政

新型コロナウィルス感染症の広がりは自治体の在り方を一変させました。エッセンシャルワークといわれる医療・介護・福祉・保育・教育などの重要性が再認識されました。もう「拠点化」などといって大型事業を進める時代ではなくなりました。万代島ルート線や中央環状道路、新潟駅周辺を整備しても、人口減少に加えて働き方改革、地球環境問題などにより、自動車での移動は大きく抑制されていくことは明らかです。

ところが、中原市政は、3つの大事業にブレーキをかけるどころか加速・推進し、さらに「にいがた2㎞」や「バスタ新潟」(総額70億円)など新たな大型事業に踏み出しました。

「集中改革プラン」で子育て・福祉・介護に大ナタを振るう一方、2019年から2021年の3年間で新潟駅連続立体・周辺整備事業、新潟中央環状道路、万代島ルート線の3事業に、なんと402億円もの巨費を投じたのです(資料-5)。

さらに2022年度以降も、毎年度100億円規模の予算を注ぐ予定です。2022年度に国土交通省で新規事業化された万代島ルート線の「沼垂道路」(沼垂東2丁目~柳都大橋)は、延長約1.6㎞で事業費が430億円の見込みですので、道路1m当たり2,700万円もの建設費がかかる計算になります。

一方、子育て・福祉・介護などの予算は、「集中改革プラン」後も引き続きカットを続け、2028年度までにさらに40億円も削減する計画です(資料-2)。

3)市中心部の再開発を進め、合併地域は置き去りに

そもそも、政令指定都市をめざした広域合併の狙いは、財政規模を大きくして市中心部の再開発に資金を集中投下することにありました。合併により、周辺自治体の特色ある街づくりや農業をはじめとする独自の産業政策は失われ、万代島ルート線や新潟駅周辺整備、BRTなど新潟市中心部の再開発が加速化されました。このため、周辺地域では商店街は寂れ、産業は衰退し、人口減少が続いています。

中原市政が策定した「公共施設再編計画」は、周辺合併地域の切り捨てに拍車をかけるものとなっています。この計画は、10年間で、老人憩の家は廃止し、新津地区市民会館の廃止など主に合併地域のホール・コミュニティ・スポーツ施設を廃止・集約化、小規模校を集約化・複合化し、2038年までに公立保育園を半減(廃止または民営化)するなど、地域になくてはならない公共施設の統廃合を進めるというものです。これによって、31か所の投票所と53か所の指定避難所が廃止されることにもなります。

市中心部の再開発優先から、すべての行政区の特質を生かした、バランスのとれた街づくりへの転換が求められています。

4)時代遅れの産業政策で活力を失った新潟市

  中原市政は「選ばれる都市新潟」「拠点性の向上」を標榜しながら、時代遅れの大型公共事業と企業誘致中心の産業政策を推進し、地域経済の内発的発展を阻害し、子育て支援も高齢者福祉施策も切り捨ててきたため、人口減少(特に社会減)が進み、2020年の国勢調査結果では前回比で人口減少実数は20政令市で2番目、減少率ではワースト1位となりました(資料-6)。1人当たり市民所得も20政令市の中で最下位です(資料-7)。いまや新潟市は、その活力を失い、市民から「選ばれない都市」となっています。

  新潟駅・万代・古町をつなぐ都心軸の再開発をうたう「にいがた2㎞」と称する事業も、企業誘致のためのオフィスビル建設に対する補助や市外IT企業等へのオフィス賃貸料等への補助が中心です。周辺地域では「また中心部か、どうして中心部だけなのか、合併地域は置き去りだ」という声が上がっています。

  産業関連表を使った試算では、公的資金1兆円を使った場合の経済波及効果は、医療・介護・保健衛生分野で2.5倍の生産効果になり、雇用効果は公共事業の約4倍になるとされています。時代遅れの大型公共事業・企業誘致中心の産業政策を改め、医療・介護・保育・障がい者福祉など社会保障分野への公的投資を高めることこそ、新潟市の経済活性化につながります。

 

3.市民のいのち・くらし最優先、誰ひとり取り残さない新潟市政に転換を

 新潟市は、目的別歳出決算で政令20市中、土木費割合は1位、民生費割合は17位と最下位クラス(資料-8)です。これを改めて、「住民の福祉の増進を図る」という地方自治法に定められている地方自治体の使命に立ち返るべきです。

すべての小・中学校の給食を無償にする費用は約33億円、子どもの医療費を一部負担金も含めて無料にするために必要な費用は6億2,700万円、国民健康保険の子どもの均等割軽減措置を高校3年生まで拡充する費用は7,800万円、就学援助制度の所得階層別支給を廃止して100%支給に戻すのに必要な費用は2億1,000万円です。これらを合計すると42億1,500万円となり、新潟市の予算規模4,000億円のおよそ1%にすぎません。予算全体わずか1%を福祉や教育に回しただけで、これだけの子育て支援策を実現できるのです。

民生費の割合を全国の政令市の平均並みに引き上げるならば、新たに約144億円の福祉・社会保障を充実させるための予算を生み出すことができます。「財源がない」のではありません。財政の使い方の問題なのです。

切実な要求を掲げ、広範な市民と野党の共闘を構築して、大型事業中心の市政から市民のいのちと暮らし最優先の市政に転換させようではありませんか。

4.反社会的カルト集団=旧統一協会との関係を断つべき

 旧統一協(教)会は、霊感商法や多額の献金、集団結婚式などで社会的な批判を浴びている反社会的カルト集団です。

 中原市長は、旧統一協会の関連学生団体である「新潟大学CARP(カープ)」と数回、新潟の街づくりやSDGsなどについて意見交換を行ったほか、旧統一協会の関連団体が主催するイベントで挨拶したことを認めています。また、新潟市は新潟大学CARPに対して2020年と2021年に地域活動補助金を交付し、2016年度には感謝状を贈っています。

 中原市長は、新潟大学CARPの催しに参加した経緯は「知人から紹介された人を介して」、新潟大学CARPが旧統一協会の関連団体であることを知ったのは、「安倍元首相が亡くなられた後」などと議会で答弁しています。「慎重に対応すべきだった」「今後は、十分注意していく」などの答弁に、「納得できない」との声も広がっています

 旧統一協会やその関係団体など、反社会的団体とはいっさい関わりを持たないクリーンな市政への転換が必要です。

【基本政策】

◆国・県に対しても、市民の立場で発言し、行動します

  • 岸田政権が進める大軍拡と9条改憲に反対し、憲法を暮らしに生かす市政をすすます。
  • 柏崎刈羽原発の再稼働に反対し、「原発ゼロ」の実現、CO²削減へ省エネルギー・再生可能エネルギーの推進をめざします。
  • ジェンダー平等社会の実現へ、選択的夫婦別姓の早期導入、同性婚を認める民法改正、LGBT平等法の制定、男女賃金格差是正などに力をつくします。
  • 国に対し、消費税率の引き下げ、インボイス制度導入の中止・延期を求めます。
  • 国・県に対し、公立・公的病院の再編・病床削減をすすめる「地域医療構想」の見直し、医療体制の強化をもとめます。
  • 中小企業を支援して時給1500円を実現するよう国に働きかます。

◆子育て環境の整備で、市民から「選ばれる都市にいがた」に

  • 学校給食の全員給食と無償化を実現します。
  • 子どもの医療費を一部負担金もふくめて無料にします。
  • 就学援助制度と所得階層別支給を廃止し、100%支給に戻します。
  • 国民健康保険料の子どもの均等割軽減措置を高校3年生まで拡充します。
  • ひまわりクラブの狭隘化施設について、分離・新設など早急に対策を講じます。
  • 公立保育園の4、5歳児の保育士配置基準と面積基準を改善し、保育の質の向上をはかります。
  • こども食堂の運営を支援します。
  • すべての市立学校のトイレに生理用品を常備します。

◆コロナ禍と物価高騰に苦しむ市民、事業者に心をよせて

1.高齢者施設・介護施設・医療機関等で、週1回程度のPCR検査を実施します。2.4回目のワクチン接種について、医療従事者、介護職員等に加え、保育所職員や

  学校教職員など、必要とする人が安全・迅速に接種を受けられるよう対策をとり

 ます。

3.保健所体制の強化をはかります。

4.コロナ禍や物価高騰によって深刻な打撃を受けている事業者、医療機関、介護施

設等にたいする市独自の支援策を講じます。

  • 物価高騰対策支援金の支給対象を生活保護世帯、住民税非課税世帯に限定せず、住民税均等割世帯まで拡大します。
  • 国民健康保険料のコロナ減免の基準として、「収入の前年比30%以上減少」に加え、「令和元年、令和2年の収入から30%以上減少」を新設します。
  • 市独自の給付型奨学金を創設するとともに、大学生等に対する食料支援を実施します。

◆市民のいのち・くらし最優先の市政に

1.高すぎる国民健康保険料、介護保険料の軽減をはかります。

  • 補聴器購入費助成の年齢制限をなくし、助成額を増額します。
  • 「集中改革プラン」等で削減・廃止された、紙おむつ支給事業、介護手当支給事業、障がい者交通費助成制度などを元に戻します。
  • 「障害者総合支援法」を見直し、応益負担は速やかに廃止するよう国に求めます。
  • 障がい者のグループホーム等の建設、運営を支援します。

◆市民の買い物や通院を支える公共交通の充実へ

1.今後のBRT計画は中止するとともに、直行便を増便し、区バス・住民バスなど地域生活交通の充実を進めます。

2.シニア半わりの上限を撤廃し、拡充します。

◆地域産業の内発的発展、地域でお金が循環する仕組みづくりへ

1.大型公共事業と企業誘致中心の産業政策を改め、「中小企業振興基本条例」を生かして、中小企業・地場産業を支援し、地域でお金が循環する仕組みづくりを進めます。

2.「公契約条例」を制定し、公共工事・公共サービスを受注した企業で働く労働者に適正な水準の賃金、労働条件を保証します。

3.家族経営、小企規模農家も安心して米作、園芸に取り組めるよう新潟市版の戸別所得補償制度をモデル実施します。

4.学校給食に安心安全な地元農産物の利用を促進し、子どもたちへの食育を進めます。

5.市職員の3割以上を占める非正規雇用の会計年度任用職員について、待遇改善を進め、官製ワーキングプアの解消をはかります。

◆不要不急の大型事業を見直し、安心・安全でバランスのとれた街づくりへ

1.新潟駅周辺整備事業の凍結部分は中止するとともに、万代島ルート線の未着工区間については中止を国に申し入れます。新潟中央環状道路の未着工区間については、中止・延期も含め見直しをおこないます。

2.老朽化した道路・橋梁などのライフライン、学校施設等の改修・修繕など、市民生活に密着した公共事業を進め、道路・歩道の除雪を拡充・改善します

3.8つの行政区の特色をいかした街づくりを進めるため、区役所の権限・予算を拡充します。

4.公共施設の統廃合は、自治協・コミ協等への丁寧な説明はもちろん、利用者の意向を尊重し、老朽化した社会教育施設や老人憩の家等は建て替え・存続を基本とします。日常生活圏に1カ所の公立保育園を維持し、困難を抱える児童と家族を支える拠点とします。 5.実態に合わない指定避難所を見直し、近隣に公共施設のない地域については、民間の協力も求めてふさわしい指定避難所を設定します。高台や高層建築物などの避難に適した場所のない地域については、津波避難タワー等の設置を検討します。